絵本で読む「初めての介護保険」～山田さん家の奮闘記～

絵：久郷博子
文：野本史男
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六景　山田さん家　母の部屋

調査員「市役所から派遣された要介護認定調査員の北条五代です」
妻　　　「ご苦労様です。どうぞ」
母　　　「どうぞ、むさ苦しい部屋ですが、おかけください」
母　　　「お茶をお願いね」
妻　　　「はい」
調査員「おくさんおかまいなく。何もいただいちゃいけないんです・・・規則なものですみません」
母　　　「あらそうだったの！？気が付かないですみません」

調査員「それでは、はじめてよろしいでしょうか？」
母　　　「痛いようなことはないですか？もう痛くされるのはイヤですから」
調査員「山田さんの身体の具合の悪い部分を確認させていただくほか、山田さんとお話ししたり、ご家族の方からお話を伺う程度ですよ」
母　　　「どれくらいかかるんですか？」
調査員「ご心配いりません。調査項目は八五種類です。」
母　　　「まあ、私の歳の数より多いんですかあ！？」
調査員「いや、正味小一時間程度ですから・・・それでは、はじめますね。」

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