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2月14日が何の日か、言われなくても分かっているつもりだ。
もらえただのもらえなかっただの、義理だの本命だの、商業主義に踊らされて馬鹿らしいと世を拗ねたこともあった。
キリシタンだかプロテスタントだかの彼女とつきあってた頃、コンビニの袋に入ったどう見てもバレンタイン用ではないチョコをもらった事もあった。相手の方にも色々葛藤があったらしい。
それでも最近は大人になって、そういった世間の馬鹿騒ぎからも距離をおいて客観的に見られるようになって来ていたのだ。少なくともこの2、3年は。
今回はそんな私を襲ったバレンタインデーの悲劇を紹介したい。
西暦2000年、1000年に一度のバレンタインデーから3日後、独り暮らしの私が部屋に帰ると郵便受けに一つの小包が届いていた。四角い弁当箱大の小包、私は何が入っているのか全く予想だにしていなかった。
手にとって裏返してみる、実家の母からだった。
なんや、またいらんもん送ってきよったな。
そう気軽に考えながら部屋に入ると私は小包を開封した。大きめの封筒に入れられているのは、幾つかの小さな包みらしかった。かなりきつめに梱包されている。取り出すのが面倒になった私は封筒をひっくり返して振った。
4つのしゃれた包みがこぼれ落ちる。あまりにしゃれ過ぎていて何の包みか全然分からない。訝しみながら私は封筒の中をあらためた。そこには1枚の紙きれ、母からの手紙だった。
「けんしへ、パパのもらった義理チョコを送ります。今年はけんしももらえましたか、、、、」
、、、喧嘩売っとんのか?
写真:送られてきた義理チョコ
私は目の前が暗くなるのを感じた。悪意があるのかただのぼけなのか、判別がつかないだけに一層たちが悪い。あまりの事に私は暫くの間、茫然自失となった。
どう考えても納得がいかない。まさかこれが本気で親切のつもりかもしれないと思うと背筋が凍る思いがした。
その後寒い部屋でインスタントコーヒーでチョコを食べた。義理チョコといえども流石は重役、おやじの義理チョコはうまかった。
生まれてより27年目の冬、こんな嫌なバレンタインデーは初めてだった。
追記 (2005/02/17)
近年、韓国では4月14日を「ブラックデー」と呼び、「バレンタインデーにもホワイトデーにも何ももらえなかった若者が黒いジャージャー麺を食べる日」になっているそうです、、、
それ俺の誕生日やんけ!!
勝手にいやな日にしやがって、、、
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