ついに滞在最終日。飛行機は13:30発なので、11:00にはホテルを出ようということで、それまでの時間、三者三様で聖地での最後の時間を過ごすことにした。
T氏は今日も"仕事"、A氏は、歩いてのリンク一周を試みるとか(若いねぇ^^;)。私はというと、カフェでコーヒーを飲みながら読書でも、という計画(トシだねぇ)。
で、そのつもりで外に出たのだが、なんと、滞在最終日にして初めて、晴れ間が見える天気となっているではないか。せっかくの"お天気"に、カフェに篭もって読書というのも勿体ないな、と思った私は急遽予定変更。デジカメ撮影を兼ねての、市内散歩をすることにしたのだった。
が、寒いのだやはり。人気のないケルントナーを国立歌劇場方向に歩いてはみたものの、吹く風の寒さに撮影意欲はいきなり減退(情けなし)。ようやく朝日に輝く国立歌劇場をフィルムに収めたものの(正確には、メモリーカードに収めた、だね^^;)、これ以上歩き回る気力なし。こりゃやっぱホテル方向に戻ってカフェに入ろう、と振り返ったら、おやまぁ、なんとそこにあの新型路面電車が停まっているではないの。
すでにその姿は何度か目撃してはいたものの、写真には収めていなかったので、急ぎ車体に駆け寄ってパチリ。さらに、外から眺めただけじゃ物足りないってことで、車内に乗り込んでみたのであった(乗り物好きとしての探求心ね)。
いわゆる「低床車」というやつだが、その"低床"ぶりはハンパではなく、床の高さは地面から10cmくらいといったところ。これだったら、お年寄りでも、ベビーカーを押したお母さんでも、身障者でも、苦にならずに乗り降りできるはず。この辺の進みぶりは、ようやく「低床バス」が走り出したところという某国とはエラい違いだ。
が、その低床が"アダ"となったか、乗り心地は今一つ。路面のデコボコをストレートに拾うので、かなりゴツゴツとした感じだった。さらに、従来の電車に比べると、相当力強い加速力を持っているので、走りがちょっと荒っぽい感もある。
見た通りかなり斬新なデザインの電車で、このデザインにも賛否両論あるようだが(ちなみにラルスは、「モダンすぎる」という"否"派だったが)、乗り心地という観点から言っても、古い電車の方が"味"があるな、というのが私の率直な印象だった。
結局そのまま市内をブラついてホテルに戻る。程なくしてT氏、A氏も合流し、さぁ、いよいよ聖地に別れを告げる時がきた。
空港との往復は、いつもはリムジンバスを利用するのだが、「電車だと途中で朽ち果てたSLの姿を見れるよ」というT氏の勧め(?)もあり、初めて電車を利用してみた。で、肝心のSLは確かにあって、あれはGross Schwechat駅あたりだったのかな、他の古い車両たちと共にひっそりと佇んでおりました。
空港でのチェックインは順調に完了。このまま3人で成田行きの飛行機に乗って、ということになるかというと、実は違っていて、成田行きに乗るのは私とA氏の2人だけ。T氏は、なんとこの後も仕事で、このままミュンヘン行きの飛行機に乗るのだ。というわけで、成田行きよりも先に出発する飛行機で"出張"へと向かうT氏とはここでお別れ。翌週に会う用事があったので、別れの言葉は、「じゃぁまた来週」。
13:30、8割程度の乗客を乗せたオーストリア航空成田直行便は、無事、シュベヒャート空港を離陸。雲間に見え隠れする聖地の街並みに向って、「また来まっせ」と固く誓う私でありました。
ヴィーダーゼン!ウィーン。また来ます。でも、"その時"はいつ?