スクリプト言語「VBScript」

VBScript
用途スクリプティング (とくにウェブ上)
実行インタプリタ
日本語△ (実装による)
対応環境汎用 (とくに Windows)
入手ブラウザ組込み

JavaScript の対抗馬

Microsoft が開発した言語で、正式名称は「Visual Basic Scripting Edition」です。

BASIC 系のプログラミング言語である Visual Basic の 弟分に当たります。古くから「学びやすいプログラミング言語」として 知られていた BASIC にオブジェクト指向を取り入れ、GUI アプリケーションの 開発を可能にした Visual Basic は、Microsoft の主力製品のひとつです。 ワープロソフト Word や表計算ソフトの Excel にも、ユーザーが自分で機能を 増やせるように VB を改良した「Visual Basic for Applications (VBA)」が 組み込まれています。最近では逆に VBA の発展版が VB という位置づけがされており、 ここで紹介する VBScript も、VBA をもとにして作られたものです。

VBScript は当初、JavaScript の対抗馬として 登場し、「ウェブスクリプティング」に使えるように VBA を「ダイエット」させたもの、 とされていました。

Microsoft は自社のウェブ閲覧ソフトである Internet Explorer で VBScript に 対応しましたが、同時に、JavaScript 互換の 言語である JScript にも対応しました。 一方 Netscape Navigator などの他のブラウザでは VBScript に対応しなかったので、 結果として VBScript は他の分野での利用に活路を見出す必要に迫られました。

VBScript の元になった VBA や VB は汎用のプログラミング言語なので、 VBScript もその汎用性を受け継いでいます。いま VBScript がよく使われている場所の ひとつは、Microsoft 製のウェブサーバです。ウェブサーバとは、作成された ウェブページを保存しておいて、利用者からのアクセスがあると必要なデータを 利用者に送信するコンピュータのことです。 Microsoft の Active Server Pages (ASP) というウェブサーバ・ソフトには、 送信するデータを、利用者からの入力などに応じてその場で生成する機能が あるのですが、その処理方法を VBScript で指定できるようになっているのです。 こういう使い方を「サーバサイドのウェブスクリプティング」といいます。 実は Netscape 製のサーバソフトにも JavaScript による同様の機能があるのですが、 VBScript は Windows や ASP との相性がいいため、最近ではかなり普及しているようです。

ほかに、Windows 上での操作や処理を VBScript で書き表せるようにする 「Windows Scripting Host (WSH)」という機能も開発されました。 「大量のファイルの中から条件に合うものだけを別のフォルダに集める」といった、 手作業でやるのは大変なものでも、VBScript と WSH を使うと簡単に行えたりします。 Unix 系のシステムでは日頃よく行う作業を Perl などでスクリプトとして作成しておき、 必要に応じてそれを実行することで手間を減らすというのがよく行われています。 VBScript と WSH を使えば、それを Windows 上で実現することができます。

実は ASP や WSH は JScript でも使えるのですが、用語の使い方などで 多少の違和感があります。今後も Microsoft は VBScript をサポートしていく ようですので、Windows 上でスクリプティングを行いたい場面では 最有力な候補のひとつだといえます。

VBScript 関連の主なサイト

総合的に情報収集するなら

Microsoft による公式サイト。WSH の最新版など、関連する各種コンポーネントも 入手できます。

このほかにもご存知の方は、ご一報ください



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