懐かしさがこみ上げるとは、このことをいうのだろう。
『太陽にほえろ!伝説』(著:岡田晋吉、発行:日本テレビ放送網株式会社[1996])を読んだ時に、そう思った。
わたしは、というよりわたしの家では、金曜夜8時はきまって『太陽にほえろ!』であった。番組は1972年の夏に始まったが、いつから我が家の恒例となったか、わたしは知らない。気がついたらそうだった。
わたしが見始めたのは恐らく小学校に入学して直の頃だろう。ちょうどボン(宮内淳氏)とロッキー(木之元亮氏)が出ていた時期。つまり、かの有名なマカロニ(萩原健一氏)、ジーパン(松田優作氏)、テキサス(勝野洋氏)そして初期のスコッチ(沖雅也氏)は残念ながらタイムリーでは観ていない。ちなみに3年B組金八先生のシリーズも。
ただ、平日の夕方でやっていた再放送で何度か見ることはできた。ちなみに3年B組金八先生のシリーズも。
この『太陽にほえろ!伝説』の著者は同番組のプロデューサーで、この本には番組の裏話が満載である。
この番組につき物である殉職劇が、新米刑事の成長モノに行き詰まりを感じ「降りたい」と言い出した萩原健一氏の提案であること。
村野武範氏(現:武憲)が著者に文学座の松田優作氏を紹介したのは、前夜の麻雀で村野氏が負けたためであること。
石原裕次郎氏が舌の手術の後でセリフが言えないにもかかわらず、演技だけで何の違和感もなく主役を努めた回があること。
「家族と一緒に見ることができないような番組は作ってはいけない」という掟があったこと。
などなど。
我が家は製作スタッフの思うツボだったということか。