005 用途 1998.07.11

モノには、用途がある。実用製品なら尚更のこと。至極当然。
更に言えば、用途が所有する目的となる。

毎年異常気象と言ってるんだから、今年は平年並みなんて言ったところで所詮平年並みの異常気象。でも今年の梅雨は違う。(これも毎年言ってるかな?)
連日真夏日を記録し、台風もここにきてやっと1号が発生するという、観測史上もっとも遅いという記録を作ったらしい。それでいて、梅雨は明けていない。

一般的には梅雨の時期に大活躍する傘。人は雨に濡れないように傘をさす。
しかし、梅雨でも雨が降らないのであれば、傘をさす必要はない。
日傘なんてツッコミは不要です。念のため。
ささない傘は邪魔だし持つ必要がない。

ここで考えてほしい。常時わたしの鞄に入っている折り畳み傘のことを。
そう、折り畳み傘は携帯するのが目的で、用途である雨を遮るなんてことは二の次。
なんて健気なんでしょう。ひたすら携帯されていれば、彼もわたしも満足なのである。
それでいて、突然の激しい雨に、用途とはいえ目的外のことに使われ、役立たずとまで言われてしまう。あまりにも不憫である。
だからわたしは、折り畳み傘を愛用している。雨の日も晴の日も。


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