014 おつり 1999.05.15

レジに並ぶと、財布を覗き込む。
自分の持っている小銭を確認する。
“財布の中身は軽く”というのが、ポリシーである。

時間との勝負である。
金額を請求されてから、いかに速く、財布の最適化の解を導きだし、いかに速く、該当する小銭どもを取り出すか。
財布の奥に埋もれている硬貨を取り出そうとした時に、チャリンなどと他の硬貨を落下させるような恥ずかしい行為はあってはならないし、計算間違えで、出した硬貨が無情にも戻ってくるなどという過ちは許されない。
時間との勝負なのである。
戦歴は記録していないのでよくわからないが、勝ち越しているとは思う。

ただ、時間を気にするあまり、引き算という、処理時間を要する高度な演算を避け、視覚的に表示されている請求金額の下三〜一桁に該当する硬貨を出すという処理を行ってしまいがちである。
¥2789請求されて、たまたま、89円があったらここぞとばかり、漱石3兄弟と9枚の硬貨を出したりする。その直後、100円玉が2枚あることに気付いたりする。
これは、引き分けって感じでしょうか。

しかし、¥2595請求された時に、左脳をフル回転して沈着冷静に漱石3兄弟と100玉と5円玉をそれぞれ1枚ずつ出すという高度な技を繰り出すと、不慣れなレジ担当は一瞬不可思議そうな表情をするのだが、おつりの金額が表示された瞬間ハッとするのである。
¥510の表示。美しすぎる。してやったり。

これが、自動販売機や券売機では、失敗することがある。
50円玉のおつりを期待しても、10円玉が5枚出てきたりする。
たまに、50円玉が出る時もあったりするので、取りあえず挑戦はするが。
それにしても、500円玉で自動販売機の缶ジュースを買った時、おつりが380円ってのは当然だけど、その中に50円玉が3枚あったのにはあきれたぞ。


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