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聖地オペラ見物記


「なんでまたいつも同じ所へ行くんだ?」と回りには呆れ返られるのだが、その答えは「オペラ」。格安(→立ち見故)で当団の演奏と舞台を見ることができるオペラがあるからこそ、バカのひとつ覚えように聖地へ出向くのだ。というわけで、聖地における私のオペラ見学の模様をご紹介。


はじめに:極寒のウィーン

stephan graben

ご案内の通り、この冬のヨーロッパは大寒波。ウィーンも例外ではなく寒かった!前半が連日-10℃、後半ちょっと暖かくなって-5℃くらい。一応"北国"の出身なのだが、都会のぬくぬく生活にすっかり慣れてしまった身には、さすがに堪える寒さだった。
街はご覧の通りの雪景色。左はシュテファン寺院前、右はそこから振り返ってのグラーベンのペスト記念柱方向。気温が低いから雪はなかなか溶けない。でも、主な通りについては雪かきが行われて、それなりに歩きやすくはなっていた。道路用、歩道用、果ては路面電車用と、ウィーンに存在するすべての(??)除雪車を目撃できたのも、乗り物ファンとしてはラッキー。


いきなりハプニング

stand

ウィーン到着初日(12/28)。夕方、ホテルにチェックインするとすぐにシュターツオパーへ。この日の演目は「くるみ割り人形」。立見チケットはなんなく入手できたので、まずは腹ごしらえをしようということになった。オペラ裏の行きつけのソーセージスタンド(↑:この写真は以前行った時に撮ったもの)に向い(→どうでもいいが、ウィーンでの1食目はいつもここのような気がするぞ)、寒さに震えながらホットドックを食べていると、アルベルティーナ方向から親子連れが歩いてくるのが見えた。お父さんと3人の男の子。で、そのお父さんが、どうにも見覚えがある顔んだな。うーむ、あの人アルトマン先生に似てるなぁ。似てるよ、うん、すごく似てる。いや、似てるんじゃない、先生そのものだ!
思わずかけ寄り(→ホットドック持ったまま ^^;)「アルトマン先生!」とご挨拶すると、「やぁ、来てたのか」とニッコリ。「Hさん(←例の弟子入り中の友人。ほんとにこのように"さん"付けで呼んでいた)は日本に帰ってるよね」とおっしゃるので、「そうです。それで、私たちが代りにやってきました」と申し上げると、ハッハッハと高(苦?)笑い。連れていた子どもたちは、2人がご自身の子どもで、1人がその友だちなんだとか(→「そう、ボクは友だちなんだ」なんて言いながら胸を叩いて、コイツが一番可愛かった)。先生は、同じスタンドで子どもたちに食事をさせ、ご自身もソーセージにビール(しかもラッパ飲み!)で軽く腹ごしらえをされて、仕事に向われたのであった(→これがなんと開演25分前!)。
それにしても、到着早々先生にお会いできるとは。それにお子さんまで見れたし。昨年は、私と当団の付き合いの転機の年であったと思うのだが、そのことをつくづく実感したハプニングであった。
※残念ながらカメラを持参していなかったので先生との遭遇写真はなし。でも、秋の日本で散々撮りまくったんで、もし持ってたとしても、撮らせてくれっては言えなかったかも。


いつものようにいつもの場所で

stehplatze1

立見のチケット発売は、開演の1時間15分前から。当然その前から行列はできるのだが、前の方に並ぶ人たちは、1階(Parterre)か5階(Galerie)の真ん中に立ちたい人たちが大半。私(たち)には、とにかく「ホルンが見える」ことが重要なので(←なんだかなぁ...)、立つ場所はGalerieの上手と決めている(→原則的にホルンは下手の最後列に陣取るので。ホルンが上手に座る時はGalerieの下手に立つ)。というわけで、並びはじめてから数時間。係員の指示による一斉階段登りなどの儀式を済ませ、開演1時間前にようやく所定の位置(↑)に陣取るのであった(ふぅ...)。
この時点では、オケピット内にはほとんど人影はなく、若手奏者がさらっていたり、オーボエ吹きがリードを削っていたりする程度。私たちもロビーのソファに腰掛けて休んだり、場合によっては、この時間を利用して↑のソーセージスタンドに行って腹ごしらえしたりなんてこともする。
さて、いざ開演という時間になると、会場の様子は、


stehplatze2

このようになる。
オケの面々が登場すると、私はさっそくメンバー表作成にとりかかる(→プログラムの余白にメモるだけだけど ^^;)。木管およびホルンの全員は見えるので問題ないが、金管および打楽器はまったく見えないので大変。係員の目を盗んで(→うるさいやつがいるんで)最前列まで行き、ピットを見下ろして確認。毎度こんなことをやっている(→バカ)。
で、今回はさらにもう一つ、シュトランスキーとの挨拶という新しい"儀式"が加わった。ピットに登場した彼が、他のメンバーとの挨拶やら自分の音出しやらといったことをひとしきり済ませると、私の方を見上げてくる。そこで、お互いに手をちょこんと上げて挨拶するという次第。一緒に見ている友人呆れ顔>でも、私は大変ウレシイ。


so_horn honeck

休憩時間にピット前まで行ってみることもある。というわけで、これが彼らの仕事場だ。
左の写真がホルンセクション。一番手前が1番ホルン。奥に向って2,3,4と座る。この日(1/2)は「無口な女」だったので、譜面台の上や椅子の横にミュートが置いてある(彼らの椅子には"ミュート差し"が付いていて、素早く脱着作業ができるようになっている>欲しい!)。また、チラっと見えているのだが、1番ホルン(この日はシュトランスキー)の譜面台には、替え楽器(F-HighF管)がぶらさげられている(→彼らはよくここに楽器をぶらさげている)。ピット内では山台を組まないので、後方に陣取る管楽器陣は、指揮が見やすいように背の高い椅子に座っている。
右の写真は当夜のコンマスであったホーネック。休憩時間も酒を飲みに(?)帰らず、一人黙々とさらっていた。なお、ピット内では、コンマス2人は通常2ndVnのトップが座る位置におり、彼ら専用の山台にのっている。
私の究極の夢は、ここでホルンを吹くこと。だって、ムジークフェラインは貸しホールだから、その気になれば演奏することできるし、実際、演奏したことあるアマチュアも多い。でも、シュターツオパーはそうはいかないもの。この背の高い椅子に座って、オペラを演奏する。あぁ、なんてカッコイイんでしょ(←末期的バカ?)

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というわけで、ほんのごく一部ではありますが、私のオペラ見学の模様をご紹介いたしました。皆様の参考となりましたでしょうか?(←ならねーよ!という全国各地からの声多数)。


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