ラルスが使っていたヤマハのウィンナホルンを譲り受けたのが3月。以来、大変気に入って吹いてきたのだが、いつも気になっていた点があった。それが上の写真の部分。そう、キー(レバー)の動作部がちょっとヘンなのだ。通常のウィンナホルンの場合、解体新書にも書いたように、
↑のような、太鼓バネ(左)もしくはコイルバネ(右)で動作する。ところが、ヤマハの場合、バネらしきものが見当たらないのである。でも、バネがなければピストンを動作させることができない。いったいどういう構造のバネなんだろう?というのが、いつも感じていた「疑問」だったわけである。
で、先日のこと。ピストンの動きが悪くなったので、オイルを注そうとピストン部分の"ふた"を開けてみて謎が解けた。
なんと↑このように、ピストンの動作部にバネが仕込まれていたのである。要するに、トランペットと同じようなピストンの動作構造だったというわけ。いやー、これは気がつかなかった。ただ、このメカのメリットがどの程度のものなのか、ということは正直言ってわからない。確かにピストンの動きはスムーズなのだが、それがこの構造によるものなのかどうか...。
いずれにしても、職人さんてのはいろいろ考えるもので。中でも、こういう"発想の転換"ってのは、日本のメーカーならではって感じだし。ウィンナホルンという旧式の楽器にも、新しい技術が取り入れられているんですねぇ...。
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