私フォルカーは、8月23日から27日まで、仲間と共に草津夏期国際音楽アカデミーに参加しました。
私たちの毎日の様子や、日々感じたことを、気の向くままに書き記したのが、この「草津徒然草」です。
が、「気の向くまま」ゆえ、結局、現地から更新したのは初日のみ(笑)
以後の分は、帰宅後にこれまた「気の向くまま」記しているものですので、どうかひとつ、そこんとこヨロシクと(爆)

●過去の記録●

草津想い出アルバム(1997年)   '98草津アカデミー日記(1998年)   '99草津アカデミー日記(1999年)

 
レッスンついて
 
今日の1枚
8/26(土)午後に行われた2回目のレッスン風景

 
我が東京ウィンナホルン協会のレッスンは、25日(金)午前と26日(土)午後の2回行われた。レッスン所要時間は前者が約30分、後者が約50分。ホルンクラスの1回のレッスンは40分が"所定"だから、まぁ、トータルでは"お約束通り"ということではある。

今年、我々が持ち込んだレッスン曲は、ホルン八重奏版のベートーヴェン「エグモント」序曲。エーリヒ・ピツカ(ハンス・ピツカの父)によるアレンジで、4重奏をベースに、それぞれのパートを倍にしても吹けるよう音を書き足してあるという形式の楽譜だが、これを、25日は8名、26日は9名で演奏したのだった。
ちなみにパート割は以下の通り>今回は実名(^^;で。ちなみに( )内は、私が当ページ内でいつも使っている呼称ですので、ご参考までに。

1:中根(N氏@日本一)、5:北脇(不協和音K氏)、3:藤本(重鎮F氏)、7:吉田(かぶ響J氏)、2:松井(奥田安智氏)、6:田中(盟友T氏)、2-6アシ:大脇(かぶ響O氏/26日のみ参加)、4:秋元(かぶ響A氏@高知県宿毛市在住)、8:佐々木(フォルカー)
※記載したパートの順番がアベコベなのは、まず、楽譜が1-5、2-6…というセットで書いてあること、そして、2-6と3-7のセットを入れ替えて並んだ方がアンサンブルしやすいと判断したためで、すなわち、これは、当日の並び順を意味してもいる(上記写真の左から右へ向かって)。
ちなみに、本来は3もしくは7番を不協和音U氏こと植田氏が吹くことになっていて、重鎮F氏は1-5アシの予定だったのだけど、U氏が仕事でドタキャンとなったため、急遽上記の布陣で臨んだ次第。

ところで、なぜ、この「エグモント」をレッスン曲に選んだか、なのだが、これは、昨年ラルス師から「宿題」とされたからに他ならない。「Keep on practice for Kusatsu 2000」というメッセージと共に楽譜一式を与えられた以上、「生徒」としては、それに応えなければならんだろうということで、ね。もっとも、当の本人が自分で宿題を与えたことを忘れていたくらいだから(笑)、別に、他に適当な曲があれば、それをやっても良かったんだけど、ま、そういう曲を見つけられなかったということもあって。
それに、昨年の「反省」も、選曲に大きく働いたことは否めない。昨年は、ホルン合奏の定番「夕べの祈り」を取り上げたのだけど、これ、結果的には芳しくなかった。もちろん「名曲」だし、アンサンブルの練習をするのに決して不適切な曲だとは思わないのだけど、なんというか、今の(正確には「昨年の」)我々にとっては、この曲でレッスンを受けるというのが、ちょっと実情に合わなかったというか。なんかちょっと上手く表現できないのだけど、とにかく、「適切」ではなかったんですわ、いろんな意味で。

今年の「エグモント」はというと、最初はね、「キワモノ」という感が強かったわけです。だって、オケの曲をホルン合奏でやるんだから、いろいろ"無理"はあるわけでね、楽譜に。実際、昨年の草津で、楽譜をもらってすぐに音出しをしてみた時なんか、「なんじゃこりゃぁ!?」って、みんなで大笑いしたくらいだったし。
それに、昨年同様の「倍管」というところでも、多少の不安はあった。昨年の「夕べの祈り」も、同じパートをほぼ2人ずつで吹いたわけだけど、それが、結果的には「芳しくない」要因となったようにも思われた。だから、この「エグモント」でも、同様の結果を引き起こしてしまう恐れはあったのだが...。
しかし、いざやってみたら、これがなかなかに「いい曲」だったのだ。重鎮F氏が、コーダのところでハイF管を駆使して(?)ピッコロのパートを吹く、みたいな「余興」部分(笑)もあったんだけど、それ以上に「曲」がしっかりしているから、単なるキワモノに終らず、アンサンブルと音楽の作り込みに十分耐えることができた。
昨年のレッスンでは、アンサンブルがどうとか音楽がどうとかいう以前の、「ウィンナホルンを『持っている』だけで安心しちゃいかん!」みたいな、「心構え」的な部分の指導ばかりを受けてしまったのだけど、今年は、ちゃんと「音楽」と「アンサンブル」に踏み込んだ部分での指導を受けることができ、まずは何よりだった。

で、終始言われたことは、「『響き』を意識せよ!」ということ。決して汚い音は出さない。周りの音と溶け合わせる。そのために、「ウィンナホルンの響き」をいつも意識する。
当たり前と言えば当たり前だし、なんのことはない、毎年言われていることでもあるのだが、しかし、それこそが事の「本質」でもあるわけだし、また、レッスンの中でそれを言われる局面が、なんというか、昨年までとは違った"次元"であったようにも思われてね("自己満"かもしれませぬが)、昨年のような「落胆」を覚えるのではなく、今後につながる指導を受けることができた気がして、満足感を覚えることができたのだった。
ちなみに、昨年の分に書き足してもらった今年のメッセージは、「Think always about sound of Wiener Horn」。以って肝に銘ずべき言葉と心得る。

ところで、草津における「レッスン」とは、自分たちが受けるものだけではない。同じホルンクラスに参加している他の生徒さん(マスタークラス)のレッスンを聴講することもまた、非常に大きな「勉強」となるのである。

今年のマスタークラス参加者は4名。台湾から参加した女子学生さんのみが初参加者で、あとの3名は"リピーター"。その中には、我がウィンナホルン会のJ氏@かぶ響も含まれるのであった。
で、そのリピーター組の中の音大生の2人、T音大のY君(3年連続参加)と、当ページでもお馴染みのG大生、草津密偵T嬢(4年連続参加)のレッスンは、かなり"ハイレベル"なものであった。
とにかく2人とも、この1年間で大変な「成長」を遂げていて、何よりまずそれにびっくり。音や音楽の傾向はそれぞれに違うけど、なんつったって2人とも音が「太い」。そして、楽器が良く「鳴る」。
まぁ、毎日ホルンを吹くことが「日常」である人たちなのだから、楽器が鳴って当たり前なのではあろうが、それにしたって良く鳴ること。そして、2人とも、音楽の作りが非常に大きくなっていて、こう、よくありがちな「小さくまとまっちゃう」みたいなのとは対極にあることが、聴いていてとても嬉しかった。
もちろん、2人の日頃の研鑚の成果なのだろうが、少なからず「草津効果(=ラルス効果?)」が現われていることでもあろうから、まずは何より「ご同慶の至り」と言わせていただきたい。
※写真は密偵T嬢。体は小さい(余計なお世話か?^^;)けど音と音楽はでかい!

一方、初参加の台湾女子と、我らがかぶ響J氏については、「息の使い方」「楽器の鳴らし方」という部分での指導が多かった。確かに、前記の2人に較べると、息の円滑な供給というものが傍で見ていても感じにくく、ラルス師から再三に渡って「たっぷり息を吸いなさい」「お腹で支えなさい」という指導が出ることも「もっとも」なように思われた。
などと客観的なことを言っているが、この「息」と「お腹の支え」の問題は、我々にとっては永遠の課題でもあることで、2人に対しての指導は、まさに自分への指導であると心得る意味でも、このレッスン、大変勉強になった。

☆「1週間に1回1時間」吹くよりも「毎日20分」吹くことの方が効果は大きい。
☆ホルンに限らず、管楽器を吹く人は何かしらスポーツをやって体を鍛えるべき。

これは、ラルス師から全員に向けて発せられたアドバイス。以前のレッスンでも同じ話はあったのだが、結局そのいずれも実行に移していなかった自分としては、いよいよ本当にやらねば、との思いを新たにしたレッスン聴講でもあった。

というわけで、まだまだ書き足りないこともあるのだけど、レッスンについてのレポートはひとまずこれにて終了。あと、コンサートについて、をまとめますので(多分...^^;)。

 
 
日々の生活について
 
今日の1枚
唯一の「自由時間」に西の河原露天風呂で入浴
ところが、この時間帯のみどしゃ降りの大雨
レンズに付いた雨粒のおかげでせっかくの記念写真はピンボケに(涙)
真ん中がラルスで右端が守山先生ですので、念の為(^^;

 
アカデミー参加期間中、私たちがどんな毎日を送っているのか。今回はそれをご紹介したい。
ちなみに、アカデミー事務局から配布された受講生パンフに記載されている「1日の流れ」は以下の通りとなっている。(コメント一部省略)

8:30事務局受付が開きます。練習室申込、聴講受付など。
9:00〜12:00マスタークラスのレッスンの時間です。自分の出番でない人も他の人のレッスンを聴いて勉強してください。
12:00〜昼食タイムです。
13:15〜15:15公開レッスンの時間です。他の楽器のレッスンを聴ける貴重な機会です。
16:00〜18:00コンサートの時間です。学生証で入場無料です。

コンサート終了後はペンションに戻って夕食です。この後も練習室の貸出はしています。

とまぁこんな感じで、これが言ってみれば「公式スケジュール」。では、私たちウィンナホルン会はというと...

8:00宿で朝食
※ちなみに今回は、昨年までのペンションではなく自力で見つけた旅館に宿泊したが、建物が古い以外はすこぶる快適。尚かつ安かった!
9:00ホルン科レッスン場のレストハウスへ移動。事務局で午後と夜の自主練用練習室申込
※申込は1人1日1時間までなので、午後と夜に4時間分の練習場を確保するには計4人の名前が必要。こういう時は「団体参加」が役立つ。
9:20〜12:00マスタークラスのレッスン見学。あるいは自分たちのレッスン(8/25)
※今年のホルン科はレッスン開始が9:20だったが、これってラルスの寝坊対策??(^^;。日によっては多少延長あり。
12:00〜昼食
※宿は昼食抜きなので、街なかの食堂などで済ませる。今回は、1日だけ外で弁当にしたこともあった。天気も良くてなかなかおいしかったっス。
13:00〜15:30自主練習もしくはコンサートのリハーサル見学
※8/26(土)はこの時間帯(15:00〜16:00)に我々のレッスン。
16:00〜18:00コンサート
※行かない日もあり。その場合は「自由時間」。ちなみに上の"入浴写真"(^^;は、8/26(土)の「自由時間」のもの。ってことは、この日のコンサート(ヘフリガーのリサイタル)はパスしたと(行った人もいるけど)。
18:20頃〜宿で夕食
※しかし、19:00から自主錬をするので、食事を味わう余裕、ほとんどなし。コンサートに行かなければ、少しは余裕ができるのだが...。
19:00〜21:00自主練習
※2時間あっても結構「あっという間」。それだけマジに練習していたということデス。
21:30頃〜宴会(笑)
※ちなみに今回は、ラルス号令(^^;によるおかめ寿司宴会が3回、宿での自主宴会(^^;が1回。まぁ、どっちにしても"連日"なんだけどね。
1:00頃〜就寝

というわけで、結構「キツキツ」のスケジュールであることがおわかりいただけると思う。
もちろん、例えば自主練を減らしたり、コンサートのリハーサル見学をやめたりすれば、それだけ「時間」を作ることはできるのだけど、でも、せっかく行っている以上、しかも、我々は参加期間が短いから尚更、「もったいない」という思いが先に立つ。よって、どうしてもこういうハードな「時間割」となってしまうわけで。
でも、リハーサル見学なんて、実に貴重な経験ですからね。一線の音楽家たちが、どうやってアンサンブルを作り上げて行くのか。これを間近に見学できる機会なんて、そうそうあるもんじゃない。
その時間を「休養」にあてた方が、もしかしたら効率良く練習して行けるのかもしれないけど、「垂涎の体験」を捨ててまで休む気にはとてもなれないということで、可能な限りせっせとリハーサル通いをする私たちなのでありました。
でもねぇ、意外に他の生徒さんたちは姿を現さないのよ。確かに、その見学は「非公式」なものではあるので、「受講生はリハ見学必須」ということにはなっていないのだけど、それにしても来ない。いい「勉強」になると思うんだけどなぁ...。

レッスンとコンサートについては、また改めて記します。

 
 
8月23日(水)
 
今日の1枚
ラルス夫妻の結婚を祝して乾杯!

 
本日の行動記録。
自宅を朝7時50分に出発。途中、高井戸で盟友T氏を、練馬インター近くでK氏を拾い、一路草津へ。
午後1時半頃に草津到着。先に到着していたJ氏@かぶ響と合流し、25日(金)の演奏会(木管アンサンブル)のリハーサルが行われている会場へ移動。
ラルスと守山先生にご挨拶。クロンマーの木管八重奏曲、R.シュトラウスのソナチネ2番のリハーサルを見学して、一旦宿へ戻る。
夕食後、夜7時から我々のレッスン曲「エグモント序曲」の音出しを4人で行い(八重奏を10人でやるのだけど、譜面は最低4人で吹けるように書いてあり、かつ、今日集まったメンバーがうまい具合に各パートに分かれていたので、全パートの音は出た)、9時に終了。
ラルスから恒例「"おかめ寿司"集合!」(笑)の号令がかかり、10時頃からホルン科宴会。ラルス夫妻、守山先生、我々、そして、マスタークラス参加のY君、密偵T嬢も加わって楽しく過ごす。
ちなみに、上の写真はその際のもの。ラルス夫妻のご結婚を祝しての乾杯風景。いやほんと、オシアワセそうで何より。そうそう、奥様の名前はマルギットさんと言いますので、以後よろしゅうに(笑)
宴会は12時半頃に終了。ご夫妻と「また明日」と挨拶してお別れし、今日1日が無事終了。めでたしメデタシ(なんじゃそれ^^;)。


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