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自パン機

「自パン機」とは何か。それは「パンの自動販売機」の事である。誰もが一度は見た事があるのではないだろうか。ガラス張りの筐体の中に金属のコイル に挟まれてパンが並んでいる。お金を入れ、買いたいパンの番号のボタンを押すとコイルが回転してパンを押し出す。そしてコイルの端から空中に押し出された パンは下に落下し、下のドアを空けてパンを取り出す事ができるという仕組みのあれだ。これは私の会社に設置されている「自パン機」と私の終わる事のない闘 いの記録である。

最初に奴の巧妙な罠にかかったのは私が再下段、「12番」のパンを買おうと思った時の事である。私はお金を入れ、迷わず「1」、「2」の順にボタンを押した。ところが奴の反応は私の予想を大きく裏切ったのである。

何で1番が動くねん。

何故か最上段の1番のコイルが動き始めたのだ。

私ははっとして並んでいるボタンを見た。1、2、3、、、、12。

しまった!!「12」のボタンを押さなあかんのか!!

そして1番の列にパンは入っていなかった。

私は歯噛みしながら空の1列目を睨み付けた。このハイテク時代になぜ売り切れを認識できない自販機が存在しているのか。自分の失敗とはいえ納得がいかなかった。思えばこの時から奴と私の闘いは始まったのである。

私がこの自パン機を嫌うもう一つの理由、それは「防犯カバー」の存在である。昔から変わらないローテクマシンであるにも関わらず、どうやらこいつは 最新式の様で、商品取り出し口から手を入れてパンを盗む事が出来ない様に自動で動くカバーが付いているのだ。それは商品が落ちて来る直前に開き、商品が落 ちると閉じ始める。そしてこのカバーが開いている間、下の扉は開ける事が出来ない様になっているのだ。私は最初に見た時からその小癪な機構が気に入らな かった。

他にいくらでも改良する所はあるだろう。

例えば商品の無い列をセンサーで感知してお金だけが取られる事を防ぐ事などはお客の立場からすれば最優先の課題となるはずである。それを差し置いて 売り手の立場のみから「防犯」を優先した開発者の態度、「顧客満足度」を優先するという近年のビジネスの常識に反する行為に私は決して納得する事が出来な かった。

そんなある日、私はこの「防犯カバー」の恐るべき副作用を目の当たりにしたのだ。その日、いつもの様にパンを買いに行った私はその防犯カバーの上に異変を発見した。

パンが乗ってる、、、

どうやったらこういう状態になるのか、この時はよく分からなかったが、とにかくも防犯カバーの上にパンが一つ落ちていたのだ。丁度そのパンが欲し かった私はお金を入れ、空の列のボタンを押した。案の定パンが落ちて来て私は目的のパンを手に入れた。だが私はそこではっと気が付いた。

パンのある所のボタン押さなあかんやん!!

後悔先に立たず、私はパンを2つ手に入れるチャンスを失ったのだ。とても悔しかった。

それから数年後、私は全く同じ状況に自ら陥る事になった。

その日、私は一番端の列にあるパンを買おうとしていた。金を入れてボタンを押すと金属のコイルがいつもの様に回ってパンを押し出す。ところがコイル が回転し終わってもパンが引っかかって落ちて来なかったのだ。どうやらパンの袋が筐体の壁とコイルの間に挟まっている様だった。

どうしよう、、、

困った私は恐る恐る自パン機を叩いてみた。防犯カバーを付ける程の連中なら、揺らした時にアラームが鳴るような邪悪な細工をしているかも知れないと 思ったからだ。何度か叩いてみたがパンは落ちて来る気配がない。だが特にアラームが鳴る事も無かったので私はさらに強く叩いてみる事にした。強く叩く事数 回、とうとう引っかかりが外れてパンが落ちた。

よっしゃ!!

憎らしい自パン機を出し抜いてやったと思った私は、次の瞬間、再び絶望のどん底へと叩き落とされた。

防犯カバーの上に乗ってる、、、

そう、こうやってパンが防犯カバーの上に乗るという奇妙な状況が発生するのだ。私は怒りの余り言葉を失った。過剰防衛の産物である防犯カバーが結局お客の利益を損ねているのだ。困った私は今度こそ騙されるまいと冷静になって考える事にした。そして私は結論に達した。

誰かが来るのを待とう。

パンを買う人が来れば同時に回収できるはずだった。

しかし待つ事5分、パンどころかジュースを買おうと言う者さえ現れなかった。業を煮やした私は苦渋の決断を迫られた。

もう一個買うしか無いのか、、、

それは宿敵自パン機に再び敗北する事を意味していた。さらに5分、待ち続けたが結局誰も現れず、私は惨めさにまみれながらもう一つパンを買った。そしてすごすごとパンを二つ持って部屋へと帰った。

インスタントコーヒーと一緒にパンを二つ食べ、お腹いっぱいになった私は一人静かに誓っていた。絶対に奴を許さない。

いつか商品棚に生卵入れてやる。

そして奴の悔しそうな様子を眺めてやるのだ。


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