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キクラゲ

私が趣味でスクーバダイビングを始めて今年で3年目になります。今回はそんな私がいつか海の中で出会いたいと思っている生き物についてお話したいと思います。

皆さんはキクラゲを御存じでしょうか。そう、中華料理の素材によく用いられているあのキクラゲです。料理用の素材としてはとても有名なキクラゲですが、その生態についてはこれまでほとんどが謎に包まれていました。

普段私達が食卓で目にするキクラゲは、体長が1〜5センチ未満の大きさですが、それらは全てまだ生まれたばかりの幼生です。春になると潮に乗って日本や中国の近海に群れを成してやって来るキクラゲの幼生は、昔から格好の漁の対象となり、私達の食卓をうるおしてきました。そうやって大陸棚の浅い海底にたどりついたキクラゲの幼生達はそこで幼生の時期をすごします。


写真:キクラゲの幼生(伊豆)

この大きさのキクラゲは日本近海のダイビングポイントでも一般的に見る事が出来ます。体の側面にあるひれを波打たせて泳ぐキクラゲの幼生は特に女性ダイバーの人気を集める生き物として有名で、ダイビング雑誌などでも頻繁に紹介されています。

ある程度の大きさ(5センチ以上)に育ったキクラゲはある時再び大洋へと戻って行くという事が研究者達の調査によって近年知られるようになりました。黒潮に乗り、太平洋を越えるキクラゲたちの大いなる旅の始まりです。この時、太平洋を潮に乗って渡っていくキクラゲたちは群れを作る事はせず、海面を漂流する流木などに寄り添うようにして生きていることも最近になって発見されました。

数年におよぶ旅の後、キクラゲ達は栄養の豊富なカリフォルニアの海に到達します。このころすでに数10センチの大きさに成長した若いキクラゲ達はこの海で発生する大量のプランクトンをえさにして、さらに成長していきます。

このカリフォルニアの海に育まれ、キクラゲは全長1〜2メートルにもなる成体へと成長します。そして完全に成長したキクラゲは繁殖のため、再び故郷の海を目指して長い旅を始めます。

この帰還の旅については、どんなコースを辿るのか、どの位の期間を費やすのか、そして繁殖をおこなう最終目的地はどこなのかなど、現在分かっていないことがたくさんあります。

このキクラゲの成体をダイビングで見る機会はほとんどなく、ハワイ諸島からミクロネシアにかけての赤道直下の海で時折、潮流の激しいポイントで目撃されたという報告がある程度です。そのためダイバーの間ではキクラゲの成体は「幻の生き物」と呼ばれ、多くのダイバー達の憧れとなっています。


写真:キクラゲの成体(パラオ)

いかがでしたか、ありふれた食材と思われがちなキクラゲに隠された謎とロマン。今度食卓でキクラゲを見つけた時など、生涯をかけて大洋を旅するキクラゲ達の姿に想いを馳せてみてはいかがでしょうか。


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