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器材を買う

「いつ器材を買うべきか」、「どこで器材を買うべきか」という質問はダイビングの掲示板等で必ずといっていいほど見かけます。どの器材から揃えればいいのか、この器材は必要なのか、決して安い買い物ではないので悩むのは当然の事です。今回は私自身の例も含めて器材を買うという事について考えてみたいと思います。

軽器材

軽器材についてはあまり選択の余地が無いと思います。私もそうでしたが大体Cカードを取るときにマスク・フィン・スノーケルぐらいは勧められて買ってしまうからです。まあ軽器材はスノーケリングにも使えるので買ってからダイビングを続けなかったとしても使い道はあると思います。レンタルし続けるのはコスト的にも合わないと思うので早めに買ったほうが良いと思います。私も講習の直後に買いました。

しかし軽器材は結構長持ちするので最初に選ぶときには慎重に選ばないと後々後悔する事にもなりかねません。マスクのサイズやフィンの大きさも重要ですし、デザインや色もよく考えて選ぶことをお勧めします。フィンなどは何種類かレンタルしてみてから選んでもいいかもしれません。

また私もそうでしたが視力が悪い人は度付きのマスク(レンズ)を買う必要があります。しかし度付きのレンズはとても高価で使いまわしが効かないので、マスクを買いかえることがより難しくなります。私も6年間同じマスクを使いつづけています。

スーツ

次に来るのが大体スーツ類になります。普通はまずウェット、そして必要ならドライということになります。ウェットには 3mm, 5mm 等があり、どれを買うかという問題もあります。

私の場合はまず 5mm のワンピース、そしてドライ、後にウェットの下に着るベストや頭にかぶるフード等を買って時期によって調節しています。最も一般的なパターンなのではないでしょうか。ドライが嫌いな人(小便が近い人?)はロクハン(6.5mmのウェット)を買って限界までそれで頑張っています。またリゾートがメインの人や太り気味で暑がりという人は ウェットは 3mm というのもありでしょう。でも 3mm のウェットは伊豆等では年に数ヶ月しか出番がありません。また2ピースのウェットもあり、こちらはワンピースよりも上半身が暖かいみたいです。

いつ買うかという問題ですが、私はウェットはCカードを取った直後に買いました。ドライは次の年の秋に買いました。ウェットは自分にあったものが良いのでダイビングを続けられそうならすぐに買ったほうがいいと思います。ドライは自分が冬でも潜りたいかどうかが鍵です。ドライを着ていても冬の海は冷たいもの、寒さが苦手な女性などは「私は冬はリゾートに行くからいい」と言ってドライは買わない事が多いみたいです。

スーツにはフルオーダー、セミオーダー、そして器材店に置いてある既製品、いわゆる「吊るし」があります。普通の体型で吊るしで合うものがあればそれが一番安くていいと思います。私のように普通の体型から離れてしまっている人は採寸してオーダーするしかありません。また吊るしではどうしても合わない場所が出てくると思います。スーツが合っていないと苦しかったり水が入ってきて寒かったりするのでセミオーダーで重要な部分だけ計って作るのが一番かもしれません。

重器材

最も悩ましいのが重器材です。一番高価である事もありますが、「買ってしまったからにはダイビング止められない」という精神的な重さもあります。

買うタイミングについては「ダイビングを続けていけると思ったとき」と言う以外にはありません。年間に20本レンタルしたとして大体4〜5万円かかります。BC とレギュレータ合わせて安ければ5,6万円で買える事を考えればそれ以上の頻度で続けられそうならもはや買うしかないのです。逆に年に数本しか潜らないという人、リゾートに行ったついでにしか潜らないというような人は買う必要は無いでしょう。レンタルが安い、もしくは無料のショップもありますが、レンタル器材は大体質が悪いので快適にダイビングを楽しめなかったりします。

Cカードを取ってすぐに買うのはあまり得策とは言えません。なぜならダイビングには向かない人、続けられない人というのは必ず、というかかなりの頻度でいるからです。正確には知りませんが、Cカードを取得して実際にアクティブなダイバーとして残る割合というのは半分にも満たないと思います。しばらく続けてみて、自分がダイビングを続けられるか見極めましょう。また色々な器材をレンタルで試すのも意味があります。初心者のうちはそれどころではないかもしれませんが。

私の場合はCカードを取った年の終わりに買いました。本数はまだ10本ぐらいだったと思います。その頃にはダイビングはずっと続けるだろうと思っていたので今では良いタイミングだったと思っています。

重器材を買う事になった時に問題になるのがどこで買うか、具体的にはダイビングショップで買うか器材店で買うかという事になります。値段的には器材店の方が圧倒的に安いものを揃えているし同じ物でも安く買えるという傾向にあります。ですから値段だけを考えれば器材店で買うというのが最良の選択と言えます。

問題なのはCカードを取ったショップに通っていると大体器材を勧められてなすがままに買わされてしまうという事です。ダイビングを続けていくかどうかまだ分からない、Cカードを取ったばかりのダイバーに重器材を買わせようとするようなショップは良いショップとは言えません。また色々な理由をつけて特定の高いモデルを買わせようとするのも利益を上げようとしている以外には考えられません。つまり、

しつこく高い器材を買わせようとするようなショップとは手を切りましょう

ショップによっては器材の購入を前提にして講習代を割安に設定している所もあるようです。かなり悪質です。逆にそれを知っていれば逆手にとって安く上げることはできます。例えば以下のような方法です。

  1. 講習が安いショップで講習だけ受ける(都会派のショップ、近所のショップ)
  2. 器材を勧められても絶対買わない
  3. 器材店で器材を揃える
  4. 別のショップを探す(ダイビングフィーが安い所、ポイントの近く、現地のショップ)

私にはできませんでしたがぜひ誰か試してみて下さい。かなり痛快です。

例えばダイビングショップで買った場合にダイビングショップでしか提供できない特典があればショップで器材を割高で購入する事も意味があるかもしれません。例えば、

とにかく顧客には選択の自由が与えられるべきであり、売る側には説明責任があるべきです。「なぜ割高なのか」という事について適切な説明ができないようなショップは悪徳ショップと言われても仕方がないと思います。

ダイコン

私は、今までの300本の中でバディ潜水をしたことは数えるほどしかありません。今思うのは「本当にダイコンって必要なの?」という事です。確かにログ付けには便利ですし減圧や深度が表示されるのも安心できます。しかしガイド付きでしか潜らない一般的な日本のファンダイバーにその情報を使って潜る事ができるのでしょうか。

つまり「減圧が出そうだからガイドよりも少し上を泳ぐ」とか「水深20mを保って移動」という事ができますかという事です。そういった潜り方をするならばダイコンは必要だと言えます。逆にそこまで気が回らない初心者には全然必要ないとも言えます。水につけて帰ってきてログを付けるだけなら他人のデータを写しましょう。私も50本ぐらいのときにダイコンを買いましたがそれからしばらくの間はほとんど意味のある使い方をしていなかったと思います。

結局の所最初から最後までガイドの後をついていくだけならむしろ心配するべきなのはエアの残りです。ファンダイバーよりはるかに多い頻度で潜っているガイドが潜水病にならないように潜っているのだからガイドよりも深く行かなければ全く問題ないのです。

つまり「ガイドがいても自分の面倒は自分でみたい」と思った時が買い時なのではないでしょうか。逆に「私はガイド付きでしか潜らないから必要ない」という割り切りもありだと思います。まあ実際は「勧められてなんとなく買った」という私のような場合が多いのでしょうが。後は「重器材のセットについてきた」というのが実は一番いい買い方なのかもしれません。

水中ライト

「ナイトをするために水中ライトを買いました」という人がいるかもしれませんが、それならレンタルで十分だということにすぐ気がつくと思います。普通のダイバーならナイトの頻度は年に数回といったところで、そのためにライトを買うのはあまり意味がありません。しかもナイトでも十分使える大きさの水中ライトは大きくて重く、日中のダイビングでちょっと使うには過ぎたものです。

日中のダイビングで軽くて小さなライトを使っている人はたくさんいます。透明度が悪い時、穴の中等をのぞく時、生き物を探す時、この手のライトはとても役に立ちます。ダイビングに慣れ、自分で何か探してみる余裕が出てきたら自分の水中ライトを買ってみるのもいいのではないでしょうか。

私は単2電池6本式の強力ライトを最初に買ったのですが、結局後から単3電池4本式の小さいものに買い換えました。デジカメと一緒に持つには重過ぎたという事もありますが、移動中の重さにも耐えられませんでした。今ではライトをデジカメと一体化させてターゲットライトとしても使っています。

しかしカメラもライトもそうですが、まだ余裕が無い初心者の時に手がふさがってしまうようなアイテムを使うのはあまりお勧めできません。無くすか落とすか、水没させるのがおちだと思います。

いかがでしたか?これからダイビングをはじめようと思っている人、Cカードを取ったばかりという人、後で後悔しないためにもダイビング人生設計の参考にしてみてください。


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