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ダイビングショップのHP

ダイビングの世界においても今やインターネットは必要不可欠になっています。私もここ数年はダイビング雑誌を買わなくなり、代わりにほとんど全ての 情報をインターネットから仕入れています。特に初めて行く場所でどのショップで潜るかを選ぶ時など、ほとんどダイビングショップのホームページから得られ る情報のみで決めています。

ダイビングショップのホームページにも色々なタイプがありますが、今回は私がショップを選ぶ時の基準、いいと思った事、悪いと思った事を挙げて行きたいと思います。

トップページ

トップページは第一印象という点では重要ですが私はあまり気にしません。奇麗なページは多分業者に作らせたものだし汚いページは多分自分で作ったものだからです。奇麗なロゴ、奇麗な写真、それに騙されてはいけません。重要なのはそこから先に必要な情報があるかどうかです。

ただトップページの使い勝手が悪いとかなりイメージは悪くなります。知りたい情報への行き方が分からない、ショップに都合の良い情報へのリンクばかりが目立つ様なページにはすぐに抵抗感を感じてそれ以上見たく無くなります。

また、

ロード時間が長いのはいきなりダメです。

全部出るのに1分かかったらもうさようならです。ページのロード時間は回線のスピードだけでなくサーバーの能力にもよりますから自分のサーバーに見 合った内容にする必要があります。過不足の無い、簡潔なページが望ましいと思います。ずるずるスクロールしないと見られない様なトップページは明らかにマ イナスです。

あと、

いきなりでかい Flash とか止めてください。

そういう独りよがりなページは個人のウェブサイトだけでいいのです。最初のページはできるだけ多くの人が見られるようにデザインしなければ、そこですでにお客を失ってしまう事になります。

とにかくページを見る人の視点に立てない人はお客の立場に立ってガイドする事はできない、と私は思います。

料金表

料金表が無いショップのページがあるのです!!

今回このページを書こうと思った理由もそこにあります。いくら探しても見付からない、何回もクリックしないと出てこない、もしくは料金があちこちに分散して書かれている、どれも話にならないと思うのですが、どうでしょうか。

「お金の話しは下世話だから」とでも言うのでしょうか。お客が料金を知りたいのは当然の事です。そしてそれが見付からなかった時、不安と疑いを抱くようになるのは当然の事だと思います。それはショップにとって明らかにマイナスだと思います。

料金表はトップページから1クリックで行ける所にあるべきです。そして全ての料金が見易く表になっているべきだと私は思います。

スタイル

「安全第一です」とか「ビギナーでも安心」とか「写真派にやさしい」とかまあ言うのは簡単ですが具体的な内容が無ければ在宅ビジネスの迷惑メールと同じで逆に怪しんでしまいます。

「ガイドとダイバーの人数比を制限する」、「ビギナーと経験者を分ける」、「写真派を別チームにする」、そういった具体的な方針を約束できないのなら何も書かない方がましです。

水深はどこまで行くのか、減圧は出すのか出さないのか、そこまで書けるショップは無いでしょうが、実際にやっている内容を正直に書けばそれでいいのではないでしょうか。

また一般的な1日の時間の流れ、1本目はいつ、インターバルは何分、昼食はどうする、といった1日のスケジュールが書いてあると「よく気が付くな」と感心します。

ログ

ログはもちろん参考になります。最近のだけでなく1年、2年に渡ってログがあればどの季節に何が見られてコンディションはどうだったかが分かります。

逆にログがあるのに更新が少なかったり載せているデータが少なかったりするとイメージが悪くなります。ログがあると思ってクリックしてみたら3ヶ月前のログだったといった事が時々見受けられます。

付けられないなら作るな。

「潜ったら必ず付ける」事ができるかどうか、作る前に考えるべきだと思います。

シーズナリティ

1年の内、どこがベストシーズンなのか、そしていつ、どんなものが見られるのか、透明度、水温、そういった情報を載せているショップはかなり勇気があるし正直だと思います。

なぜならベストシーズンにお客が集中してローシーズンにお客がゼロになる事はショップとしては不都合だからです。だから逆にシーズナリティを載せないという事はそういった調べればすぐ分かる事を「隠している」と思われる事にもなります。

またシーズナリティが分かっているという事はポイントや生物をよく研究しているという証拠でもあります。知識を蓄積してそれを分かりやすくアピールできるのがシーズン表だと思います。

そしてよく研究してみればどんなシーズンでも海の中では何かが起こっているものです。「コンディションの悪いシーズンでもうちなら見せられるものがあります」と言って欲しいです。

ポイント紹介

ポイントマップと見られる生き物があるとその地域の情報収集にはとても都合がいいですし、そのままそのショップを使おうかと思う理由にもなります。 ただあまりにも簡潔で曖昧な水中マップが載っていると逆に「よく分かってないのでは」というイメージを受けてしまいます。ある程度細かい地図に一般的な コース、見られる生き物などが書いてあった方が良いのではないでしょうか。

写真

私は水中写真をやりますが、ダイビングショップのホームページのギャラリーはあまり見ません。ログと比べて参考にならない事が多いからです。

「以前こんなものが出た事がある」、「こんな奇麗な時もあった」という写真は「来週行ったらどうか」という事にはほとんど繋がらない、というと分かりやすいのではないでしょうか。

「いつもいる地味な魚だけどこんなに奇麗に撮れた」というのだったら自分も行って撮ってみたいという気持になるかもしれませんが。

スタッフ

店長のニックネームとかどうでもいいんです!!

ダイビング歴、ガイド歴、そして経験本数。そういった情報が欠落している上に笑顔の写真の横に「得意技」とか書いてあるともうダメです。それを見てショップに来る客がいると思っているような人にガイドして欲しくありません。

あと説明文に「天然系です」とか書くな!!

飛行機で「キャプテンです、ちょっと天然系ですがよろしくね?」っていう機内放送聞きたいか?

あと犬とか子供とか使いすぎです、、、

まあこれは悪意は無いので別にいいのですが、、、

アクセス

電車で来る場合、車で来る場合、大体のショップがその辺はクリアしています。駅のピックアップ時間、車での集合時間、大体の所要時間、時刻表などが あればなおいいのではないでしょうか。あとは駐車場が有るか無いか、何台置けるか、有料か無料かといった点もあればいいと思います。特に駐車場が無いのに 車でのアクセスマップが書いてあって実は近くの有料のを使って下さいなんていう話だと最悪なのは自明だと思います。

掲示板

BBSがあるのにアップデートが少ないと明らかに逆効果です。またレギュラーメンバーの内輪の会話ばかりだと逆に閉鎖的なイメージを与えてしまいま す。また書き込みに対してショップ側の返事が無かったり遅れたりすると逆効果なので BSS は必須ではなくできる範囲で設置するのがいいのではないでしょうか。

あと「みんなの楽しい掲示板」とか勘弁して下さい。

「楽しい事だけ書いてね」みたいな子供じみた誘導が通じると思っているんでしょうか、、、

互換性

フラッシュ、Java、CSS を使ったフリーレイアウト等、ブラウザや環境によってはもちろん見られない場合があります。だからといってページを美しく見せたりするためにそれらを使っ てはいけないという訳ではありません。互換性の問題でその部分だけが見られなくなるのならいいのですが、問題なのは

サイトが完全に見られなくなる場合です。

ナビゲーション機能が Flash や Java に頼っていたり CSS が使えない場合に画像や文章が重なったり消えたりする場合があります。サイトを作ったら Internet Explorer だけでなく色々なブラウザ、環境で見てみる必要があります。

トラブルを避けるためには装飾は控えめにして部分的に使うだけにするか、装飾の無いページも別に用意するのが普通です。

アクセシビリティ

アクセシビリティとは障害を持った人への対応、例えば読み上げソフト等を使った音声のみのブラウズに対応する事です。具体的には読み上げの順序を考えて文章を並べたり画像に説明(ALT 属性)を付けたり、ページのタイトルを正しく付けたりします。

ダイビングのページにアクセシビリティが必要かどうかは疑問がありますが、ページのタイトルを正しく付けたり画像に説明のテキストを付けたりする事は検索へのヒット率を上げる効果もあります。

最悪なのはテキストで表現するべき内容が何故か画像になっているような場合です。例えば、

メニューのリンクを全て画像にする必要はあるのか!?

メニューを増やしたい時にいちいち画像を作らないといけないとしたら、結局誰もページを編集しようと思わないのでは?

まとめ

ダイビングショップのHPを見ていると他の業種に比べてダメなサイトが多い様な気がするのは気のせいでしょうか。技術的な知識のある人間がいないの に加えてマリンスポーツという理由から「楽しくて奇麗なページにしなくてはいけない」という間違った意識が強く働いているのではないでしょうか。何度も言 うようですが、

ダイビングとは命に関わるスポーツです。

ダイビングショップに必要なのは安心や信頼です。そしてHPの体裁を見れば自ずから信頼できるショップなのかどうか分かってしまうのです。インター ネットのおかげで簡単に多くの事が伝えられるようになったのと同時に多くの伝えるつもりのなかった意図までが伝わってしまう、もしくは意図していないイ メージを与えてしまう、という事をよく考える必要があるのです。

今回は日頃思っていてツッコミたかった事をまとめてみてすっきりした、という感じです。皆さんはどうですか?もし「こんな酷いページがある」等という情報があれば教えて下さい。


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