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9月27日(金)晴れ

7:30頃 車掌さんがチケットを渡しに来る。なんで今ごろ返すのだろう?乗り継ぐ人もいるからかな?ベッドはバルセロナまでこのままのようである。列車は海岸線を走っている。朝陽がきれいだ。

8:34 定刻どおりバルセロナ着。意外と暖かい。緯度的にはマドリッドより北だがマドリッドより暖かそうである。

まずは、宿探しだ。ランブラス[Ramblas]通り沿いに3ッ星までのホテルが点在している。ランブラス通りの中央のLiceuまでメトロで移動だ。メトロ専用の10回券タルヘタ2[Tarjeta2]を購入。自動改札に通していざホームへ・・・。うん?開かない。おかしい・・・。自動改札をよーく観察する。回転式のバーがついてるのは左側の機械だ。もしや・・・。左側の機械に回数券を入れる。開いた!やったー。あれ?ひょっとして2回分使っちゃった?まあ、良しとしよう。

バルセロナでは帰国までの4泊を過ごす。2件まわるが、どちらも明日が満室とのことだ。昨年のジュネーブが少し頭をかすめる。

9:50 めげずに3件目にトライ。受付のおじさんに英語は反対側へ行けといわれる。なんだか良く分からなかったが、建物の反対側に行く。確かにそこにもホテルの入り口があった。同じホテルで入り口が別なのかとも思ったが、ホテルの名前は違っていた。別のホテルのようだ。こちらの受付のお兄さんはなかなか親切だ。何も言わないのにちゃんと部屋まで案内して見せてくれた。バスは共同だったが、テレビ付きが気に入って決めてしまった。

10:30 街の散策へ出かける。ランブラス通りを海に向かって歩く。コロンブスの塔[Monument a Colom]を見て、しばらく海沿いを歩く。ゴシック地区を北上してカテドラへ。

12:50頃 T.C.を換金しておこうと重い、Central Hispanoへ。T.C.を見せたら、「Peseta! No!」と言われてしまった。他の銀行を探したが、どこも閉まっている。どの銀行のドアにも、9/24の週もしくは9/24〜27の間は12:30に閉まることを示した張り紙が出ている。どうやら、9/24の週は特別な週のようだ。

困った。こうなったらまた駅しかないな。困ったときの駅頼み。Passeig de GraciaからメトロのL3に乗ってSants駅へ向かう。しかし、この駅はひどい。L4とL3では無茶苦茶離れている。これで同じ駅とは。まるで大手町のよう・・・。

14:00頃 Sants駅着。両替所は2箇所ある。La Caixaで手数料を聞くと700ptsとのこと。もう一つのCaixa de Catalunyaでは、窓口に500ptsと書いてある(と私は読み取った)が、念のため聞いてみたら300ptsとのこと。こちらで換金。

さあ、財布も潤ったことだし、あとは観光だけだ。Sants駅からはサグラダ・ファミリア[Sagrada Familia]までメトロのL5で一本だ。次の目的地は決まった。この旅の目的地だ。

15:00 サグラダ・ファミリア着。ついに対面である。いつかみたいと思っていた。こうも早く実現するとは。青い空にそびえるせん塔。圧倒的だ。感動だ。入場料を払って中に入ることができる。ただ、私は、入る前にぐるりと一周まわってみることにした。焦ることはない。サグラダ・ファミリアは逃げたりしない。北側にまわると緻密な彫刻が・・・。生誕のファサード。あー、これがサグラダ・ファミリアだ。こんなもの、何をどう考えて造るのだろう?自分にこういう能力があれば造ることができるのに、と言うことができないものを見せ付けられ、まさに天才を天才と認めざるを得ない瞬間だ。

一周まわって中へ。中には自販機やみやげもの売り場がある。教会というより完全な観光地だ。入場料やみやげものの売り上げが財源である以上いたしかたないというところか。せん塔に登る。途中まではエレベータもあるが、ここだけは自分の足で登ってみたかった。一段一段踏みしめて登る。高い。どんどん登る。階段横の隙間から地上が見える。かなり恐怖感が沸いてきた。せん塔から突き出たテラスのようなところに立ってみる。この下には何も無いはずだ。石が組まれているだけ・・・。そう思うと恐ろしい。だんだん、天才も信じられなくなる。一番上にたどり着いたときにはかなり疲れていた。下りは楽だ。ただし、せん塔の階段は人一人が通るのがやっとという狭さ。登ってくる人とすれ違うときは大変だった。

地上に降りたって少しほっとして、ミュージアムへ。ぶらさげたチェーンの理論はいまいち良く分からない。懸垂曲線の理論というのかな?だれかやさしく教えてくれないかな?

サグラダ・ファミリアを後にする。メトロのL5に乗り、VerdaguerでL4に乗り換えて、Jaume Iへ。そこから歩いてピカソミュージアム[Museu Picasso]へ向かう。

18:00 ピカソミュージアム着。ここにもう一人の天才がいる。美術的センスに乏しい私には、ピカソほど理解に苦しむ画家はいなかった。ただ、数年前、キュービズムという言葉を知ってからピカソを見る目が変わった。それ以来、あの絵が次第に受け入れられるようになってきたから不思議なものだ。この美術館には初期の頃の作品が多い。変な表現だが、若い頃の作品は本当にうまい。人間の肉感に妙にリアリズムを感じる。やっぱり天才だ・・・(^^;

20:45頃 ホテル横のBarへ。道路沿いのカウンターに陣取る。リュックを取り敢えず足元に置いてみる。しかし、ちょっと気になる。足元が道路から手を伸ばすのにちょうど良い位置なのである。しかも、椅子が高めなので足でガードもしずらい。仕方なしにリュックは隣の椅子に置く。料理を注文した後、怪しげな男と目が合った。笑ったようでもあった。その男はバッグを挟んで向こう側の椅子に座った。何か話し掛けてきたようでもあったが無視した。私は旅のメモをつけていた。その男はそれを覗き込むかのようにしてさらに近づいてきた。一応、店の客のようではあるが、さっきは別のところに座っていたような気がする。

すると、ウエイトレスが寄ってきて、私のリュックを私の方へさっと近づけてくれた。すると男がウエイトレスに「なんだ、それは!」みたいなことを言っている。やっぱり、まずい男だったようだ。ある程度の注意はしていたが、店の客だからと思って多少の油断もあった。取り敢えず、メモをしまいリュックを背負った。でも、こんな状態で食事をしたくないなぁ。やがて、店の人が呼んだのか警官がやってきた。例の男と話をしている。男は何なんだというよな態度をとっている。そりゃまあ、まだ何もしてないんだから当然といえば当然だが。しかし、警官のほうも慣れた感じで話をしている。警官が帰り際にぽんと背中をたたく。気をつけろってことかな?結局、あの男は店を出て行かない。取り敢えず、奥の席に変えてもらおう。

今度の席は壁際のテーブル席なので安心だ。良く見ると隣の席には東洋人の年配の男性が。日本人かな?女性が戻ってきて日本語で話しかける。日本人だ。なんとなく男性と目が合って、ことの顛末を語る。良く考えたら、久しぶりの日本語だ。ツアー客のようだが海外は慣れた感じの夫婦だ。他のツアー客はガイドに危ないと聞いて夜は出歩かないらしい。危ないところとかを教えてくれる。でも、話を聞いていると、この二人結構危ない目にあっている。この夫婦のほうが心配だ。今朝は4:00起きでトレモリーノスから飛行機で移動してきたらしい。一度ツアーで極楽旅行をしてみたいと思っていたが、ツアーによっては強行軍のようだ。例の男のおかげで思わぬ楽しい食事となった。

22:00前 ホテルへ。

1:40 就寝。

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